2016年度に心臓血管外科専門医新規申請あるいは更新される皆様に大切なお知らせ!
「血管外科の手術経験点数の集計不具合について」
―特に手術経験点数が不足気味の先生は必ずお読みください!-
この度、表記の件で、不具合があることが明らかになり、2016年に心臓血管外科専門医の新規申請または更新を準備されている皆様に大変なご迷惑をおかけしており、心からお詫び申し上げます。
専門医申請(更新)に必要な手術経験は、皆様がNCDに登録した手術経験がそれぞれ難易度表のどの術式に相当しているのかを対応させるコンバーターと呼ばれるプログラムを使用して、難易度表術式と連携し、それに基づいて、経験点数が計算される仕組みになっております。しかしながら、血管外科手術の一部が本来と異なった術式として認識され、誤った難易度として計算されたり(誤連携)、あるいは、本来であれば手術経験として認められるべき血管外科手術が難易度表に記載されている術式として認識できない事態(未連携)が発生していることが明らかとなりました。把握できているこれらの不具合は別表のとおりです。
今回の問題が発生した原因は、2013年に行った血管外科手術に関する難易度表の変更に際して、コンバータプログラムの改訂が対応しきれていなかったことにあります。血管外科術式に関するコンバータプログラムは、日本血管外科学会のデータベース管理運営委員会が仕様書を作成し、それに基づいて心臓血管外科専門医認定機構がNCDに依頼して開発しており、同データベース管理運営委員会が責任をもって確認したはずでしたが、複雑なシステムのため確認漏れが生じてしまいました。先生方に大変なご迷惑をおかけ致しましたこと改めてお詫び申し上げます。なお、今回の事態はNCDとは直接関係が無い事、および、NCDへ入力されたデータは入力されたとおりに問題無く保全されていることを追記させていただきます。
心臓血管外科専門医認定機構では、今回の事態を非常に重く受け止めており、できるだけ早急にコンバーター問題を解決し、2017年以降の新規申請者もしくは更新者が大きな影響を受けないよう手配しております。しかしながら、大変申し訳ありませんが、コンバーター修正は今回の専門医申請には間に合いません。つきましては大変お手数をおかけいたしますが、専門医申請に当たっては、難易度集計の不具合が生じた2013年以降の該当手術について、下記の具体的方法を参照して、必要に応じてご対応いただけますよう、よろしくお願いいたします。特に、想定よりも経験点数が低いために今年度の専門医申請要件に満たない先生方におかれましては、是非、次ページの情報を確認いただき、再計算していただけますよう重ねてお願いいたします。
心臓血管外科専門医認定機構では、できるだけ正確で詳細な情報の収集につとめ、また、日進月歩で進歩する医療にも対応するために、毎年コンバーターの改訂を行っております。しかし、年々システムが複雑化してきており、未連携や誤連携を皆無にすることが難しい状況であり、来年度から、申請者ご自身で専門医申請にご利用できる術式が確認できるシステムの導入等によって、申請者の手術経験が正しく反映されるシステムの構築に近づけていく所存です。
心臓血管外科専門医を目指し、日々奮闘されている先生方には大変なご迷惑とお手数をおかけしていることを、重ねてお詫び申し上げます。
心臓血管外科専門医認定機構 橋本 和弘
日本血管外科学会理事長 宮田 哲郎
日本血管外科学会データベース管理運営委員会委員長 東 信良
****************** 記 *******************
具体的な申請方法
1) すでに専門医申請に十分な経験点数を満たしている申請者の方
→ 難易度評価が間違った状態で計算された経験点数が機構の要件を満たしていれば、機構としてそれを受理します。特に経験点数の修正のご希望がなければ従来どおりの申請方法で専門医申請を8月末日までに行ってください。
2) 上記1)ではあるが、経験点数を修正して申請を希望される方
→ 下記に列記した手術経験について、難易度を正しく計算し直して専門医を申請されたい方は、手書きで経験例数を修正のうえ、該当する手術記録の写しを付して、9月15日までに申請を行ってください。
3) 上記1)以外の方の中で、下記に列記した手術を経験手術に含んでいて、難易度評価を修正することで機構の要求する経験点数を満たす方
→ 下記に列記した該当する手術経験について、難易度を再計算した上で、手書きで経験例数を修正し、該当する手術記録を付して、9月15日までに申請を行ってください。
*手書きでの書類準備の時間と労力に配慮し、手書き修正希望者の申請書類提出締め切りを上記のごとく延長させていただきます。上記期日必着でお願いします。提出する手術記録コピーは個人情報を消去して提出してください。
付表
コンバーター不具合が生じた術式
対象となるNCD術式 | 誤って連携した心臓血管外科専門医術式 | 誤った 難易度 |
正しい 難易度 |
対象時期 |
ステントグラフト内挿術・腸骨動脈 | 破裂性大動脈瘤手術 | C | B | 2013-2015 |
膝関節以上の血行再建術 | 下肢の非解剖学的バイパス術 | A | B | 2013-2015 |
膝関節以下の血行再建術(含む下腿足部バイパス) | 下肢の非解剖学的バイパス術 | A | C | 2013-2015 |
下肢の非解剖学的バイパス術 | 未連携 | 集計漏れ | A | 2011-2015 |
大動脈―大腿動脈バイパス術 | 下肢の非解剖学的バイパス術 | A | B | 2013-2015 |
なお、上記以外にも、専門医認定手術として拾い上げることのできていない少数手術が存在する可能性を排除できませんので、ご自身の経験症例をよくご確認いただけますようお願いいたします。
《記載内容》
「血管外科の手術経験点数の集計不具合について」
※上記記載内容のPDF版となります。