包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)の一般向け呼称を
大募集します!
専門用語としての「包括的高度慢性下肢虚血CLTI」は、一般社会では極めて認知度が低く、それがこの疾患への理解が進まず、適切な治療についての認識が広がっていないのが現状です。一般向け疾患名としては、脳卒中や心臓発作などがあり、そのような一般社会にも広まる呼称があれば、疾患やその治療の啓発も進むのではないかと考えます。 そこで、日本血管外科学会会員に、CLTIの一般呼称を募集します。日頃よりCLTIの臨床に従事されている立場から、患者さん、ご家族にとって疾患を理解しやすく、一般向けとして浸透し易い呼称を考えて下さい。
応募要領
1. 応募期間
令和6年11月から令和7年2月28日
2. 応募方法
ホームページ上から応募できます。その呼称のアピールも付けて下さい。
応募フォームURL:https://pro.form-mailer.jp/fms/a330291a265714
3. 選考、決定および公表
用語委員会で候補を絞り、令和7年3~4月頃 ホームページ上で、会員による決戦投票を行います。その結果を参考に理事会で決定し、発表は第53回日本血管外科学会学術総会で行います。
4. 注意事項
・CLTIを変更するのでなく、あくまでも一般呼称です。学会など学術的使用の場合はこれからもCLTIを使用してください。
・第三者が有する著作権や商標権を侵害しないもの
・公序良俗に反するものや誹謗中傷を含まないもの
・著作権は日本血管外科学会に帰属します。考案者も著作権を行使せず、他の学会も含め広く使用することをご了解ください。
沢山のご応募をお待ちしています。
これまで挙がった例を以下に列挙します。こちらに囚われず、自由な発想でご考案ください。
2025年1月6日現在 | ||
No, | 案 | 意見 |
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1 | 下肢梗塞 | ・脳梗塞、心筋梗塞は一般にも広く認知されており、polyvascular diseaseとしての3本柱の一つである下肢も梗塞の呼称が理解しやすいのではないかと思います。 ・患者さんに、足の心筋梗塞と説明したらよく理解していただけるので。 ・非常に一般的な心筋梗塞や脳梗塞から容易に病態を連想できる。 ・脳梗塞・心筋梗塞との対比,短いのでインパクトあり,それでも根付くのに時間を要するとは思います。 |
2 | 切迫壊疽 | 下肢重症虚血で一般の人が思い浮かぶ言葉が「壊疽」です。「切迫」という言葉は難しいですが、「壊疽」は外せないので、「切迫壊疽」をお薦めします。 |
3 | 足不全 | まずは、わかりやすい名称を用いるのが必須と思われます。そして、病気の内容を限定しないことで、幅広く使用できると思われます。 |
4 | あし切断病 | 下肢よりも足のほうが一般的にわかりやすいですし(できればひらがな)、切断は強調したほうがいいですし、症候群は一般の人には仰々しく、病のほうが直接的でいいと思います。 |
5 | 下肢凍壊病 | 下肢虚血で足が冷たく(凍えて)て、腐敗(壊死)するを直感的に感じ取れるように意識しました。冷腐病、冷壊でも可。 |
6 | 進行型下肢血流不全 | 下肢血流が悪い状態がシンプルに分かりやすく、かつ、ほっておくと進行してしまいますよ?の意味をこめて。 |
7 | 足血病(そっけつびょう) | 心臓発作、脳卒中、足血病の流れで言いやすい点 |
8 | 危機的血流不全肢 | 一般の方にも分かりやすく比較的シンプルで短い呼称であると思います。シンプルでありながら、病態を明確に示していると思います。 |
9 | 下肢虚血 | 狭心症・心筋梗塞なので、梗塞がつくと壊死があるので、虚血の方がいいと思いました。場所と意味の複合はこれがいいと思いました。こびすぎず、現状の呼び方を簡素化する意味でもいいかと思いました。 |
10 | bomb foot(ボムフット) | LEADの予後はCADよりも3倍悪く、その究極がCLTIなのでいつ爆発するかわからない脅威という意味とフットケアという名称が浸透してきているので、合わせるためにフットをつけました。 |
11 | Limb Ischemia Syndrome at risK (LISK) | リスクが高そうな感じが伝われば。 |
12 | 切迫虚血肢 | シンプルに早急に血流改善を要する状態であることを示す |
13 | 慢性切迫壊死性下肢貧血 | 慢性の経過をたどりつつ現在は切迫した状態であることを伝えたい。また、どの単語も一般の方になじみがある。 |
14 | 幽足(ゆうそく) | 白く冷たいイメージと語呂のよさ。(放っておくと)幽霊のように足がなくなってしまうイメージと相まって、病態を連想しやすい。 |
15 | 足の血管詰まり・壊疽警報 | 一般の方にも理解しやすく、親しみやすい言葉「血管詰まり」を用いた上で、最も憂慮すべき壊疽の危険があることを伝えるためにも「警報」という言葉を選択しました。 |
16 | デスフット症候群 | フットケアにつなげる目的で、フットという単語を入れたい。最初に死を持ってくることで危機感を強調。包括的、という意味で症候群 |
17 | 足血流危機 | 足に起こっている血流の危機という病態を一般の人が理解しやすい呼称 |
18 | 重症下肢虚血 | 単純に分かりやすい |
19 | くされ足 | 学会の意図に合ってるかどうかわかりませんが、「くされ足」、「むくみ足」とペアにすることで、一般の方に足から得られる身体情報(くされ足:足を含めた動脈硬化性疾患全般、むくみ足:DVTだけでなく、全身の浮腫を発生する疾患)に注意を向けてもらうものとして、一般的な言葉であり、わかりやすく、ゴロも良く、有意義なものと考えます。 |
20 | 重症下肢創傷 | 重症であることが分かりやすく、あえて虚血という呼称ではなく創傷として包括的な意味を残し、シンプルな文言とした。 |
21 | 足壊疽病ーあしえそびょう | ストレートな名称で分かりやすく、字面からやばそう。 |
22 | 足動脈不全 | 「不全」は「心不全」「腎不全」などでよく知られている言葉で、その働きが十分でないということだけでなく、悪化することで危険な状態になる場合にも使用されるため、本症にふさわしいと思います。 |
23 | 失脚症候群 | 最終的には足を失うわけですが,社会性も一部失われることも意味します |
24 | 滅脚症 | 下肢が滅却してしまうことの造語です |
25 | 血管壊疽 | 血行障害を原因とする足壊疽であることを簡潔に示す |
26 | 慢性下肢虚血性疾患 Chronic Limb Ischemia Syndrome(CLIS) | 慢性下肢虚血に焦点を絞り、病態の下肢(Limb)特異性を強調した。 "CLIS" は覚えやすく、「慢性虚血性動脈疾患」を補完する形で提案。 |
27 | 全身動脈硬化疾患 Systemic Arteriosclerosis Disease(SAD) | 動脈硬化の全身性を伝えることに重点を置いた名称。他の病名と略語が被らない点がよいところ。 |
28 | 重度動脈硬化症 Severe Arteriosclerosis Disease(SAD) | "SAD" は疾患の深刻さ(Severe)を印象付けつつ、短く覚えやすい略語とした。循環器系でも馴染みのあるSevereという単語を使用した。 |
29 | 虚血性足死病 | 血流障害がベースであることを含めつつ、足という体の一部が失われるリスクを印象強く残る表現とした名称にしました |
30 | 重症虚血肢 | TASC以前に使用されていたものです。「重症」「虚血」「肢』、読んで字の如くで解りやすいと思います。 |
31 | 歩けない脚 | 歩くと痛みが出るので歩けないことに気が付いてもらいたい。 |
32 | 慢性足梗塞 | パンフレットに載ることを考えると、危機感を持たせるショッキングな名称は避けたほうが良いように思います。 |
33 | 足先血行不良 | 足の血管が詰まっていることを直感的に理解できると思いました。 |
34 | 足詰まり症 | 血行障害を原因とする足壊疽であることを簡潔に示す |
35 | レッドリム(イエローリム、オレンジリム) | リムだと肢になってしまうので、フットやレッグにしてもいいのかもしれません。オレンジは学会カラーですが、逆に避けた方がいいのかも? |
36 | 狭脚病もしくは狭脚症 | 狭心症の「心」を「脚」に変えました |
37 | 瀕腐脚 | 瀕死ではなく腐る直前なので瀕腐。「せんぷうきゃく」のように読む。慢性瀕腐脚(まんせいひんぷうきゃく)もゴロがよい。 |
38 | 危篤足 | "きとくあし、きとくそく" 血がめぐらなくなってきた重症な足ということで危篤と表現しました。 |
39 | あし虚血 | 大腿から足部にかけての血流を改善することは、全身の健康を守る第一歩であり専門的なアプローチが重要であることを一般の方にもっと知って頂きたいと思い案を作成いたしました。 |
40 | シビアフット | 一般にもわかりやすい「ひどい・重症の」+「足」 |
41 | 下肢血流不全 | 心不全は一般に広く浸透しており、その下肢バージョンとして「下肢血流不全」と呼称すれば、下肢の血流が悪い病態であることを感覚的に理解しやすくなるのではないかと思います。 |
42 | 足梗塞 | やはり足梗塞は脳梗塞、心筋梗塞とあるのでなじみやすいのでは。 |
43 | 肢梗塞(しこうそく) | |
44 | 脚足(あし)梗塞 虚血性脚足(あし)疾患 重症虚血性脚足(あし)疾患 |
目的は、「一般呼称」(普及しやすい呼び名)です。 「足梗塞」という言葉が、既にメディア・ネットで使用されています。 下肢全体を指す場合には「足」がよく使われる点からの言葉かと思います。しかし、医療者としてはちょっと抵抗がある先生方が多いのではないかと思います。「脚足(あし)」であれば、「lower leg」+「foot」が主な意味ですので抵抗が少なくなります。しかも「あし」と発音する(させる)ので、一般呼称として分かり易いと思います。 または、虚血性心疾患に対応する下肢の用語として、「虚血性脚足(あし)疾患」、重症の場合は、「重症虚血性脚足(あし)疾患」が一般の方には分かり易いのではないかと思います。 |
45 | 重症足梗塞 | 一般の人にわかりやすいという点では、PADが足梗塞であれば、CLTIは重症足梗塞か。 |
46 | 切迫足梗塞 | |
47 | 慢性足梗塞 | 慢性であることはCLTIのイメージに合っている。 |
48 | 足壊死 | |
49 | 足腐れ病 | |
50 | あし壊疽 | あくまでも世間一般向け、ということで、「あし」をあえて平仮名にすることで壊疽の気持ち悪い?イメージが緩和されることを期待して。 |
51 | 足壊疽 | |
52 | 足くされ | |
53 | 足切迫壊死 | 壊死(壊疽)という言葉は患者さんもしばしば使われるので。 |
54 | 足腐病(そくふびょう) | |
55 | 切迫足切断(状態) | 一般の方に一番インパクトが強いのが「下肢切断」であるため、それを想起させる文言がよいと思う。 |
56 | 切迫下肢切断 | |
57 | 足切断前状態 | |
58 | 切断切迫肢 | |
59 | 下肢切断症候群 | 下肢切断の危険が高いということを患者、家族に伝えつつ、壊疽、潰瘍、感染などの諸症状を包括した名称。 |
60 | 足虚血 | |
61 | マジ卍(マンジ)足虚血 | CLTIを翻訳したガイドライン翻訳委員会にも提案 |
62 | 足枯血 | |
63 | 足貧血 | |
64 | 乏血足 | |
65 | フットクライシス(足の危機、危機にさらされた足) | 誰にでもわかるフット、多くの人がわかるクライシス⇔threatening 【弱点:略するとイメージが変わる, i.e., ふっくら】 |
66 | 危機的足病 | |
67 | 重足症 | |
68 | 足死病(そくしびょう) | |
69 | Frosty leg/Frosted leg/Fost leg = フロレグ(霜枯れした足) | frost 霜枯れさせる、つや消しにする、ケーキに砂糖をまぶす frosty 凍る寒さの、霜白の (cf. frostbite: 凍傷、(黒くなるイメージ)) |
70 | Dying legs=ダイレグ(瀕死の足) | 誰にでもわかる概念、足が死にかけている 【弱点:患者自身が”死が近づいている”と感じると暗い気持ちになる】 【効果:病識の薄い患者の危機意識を持たせることができる】 |