包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)一般向け呼称の決戦投票

日本血管外科学会は、「包括的高度慢性下肢虚血CLTI」の一般呼称を会員の皆様から応募してまいりましたが、多数のご応募を頂きました。
さて、用語委員会は厳正な審査を経て下記の六候補に絞りました。一般向けということで、下肢、下腿など専門用語を避けています。会員の皆様には、最も適当と考える用語一つを選び、投票して頂きたいと思います。
各候補の推薦理由を併記しております。コメントも含めてご参照下さい。

尚、投票に当たり、選定した用語は、今後、学会として積極的に普及を努める予定ですので、下記の件を十分に考慮して下さい。

① 患者、家族に分かりやすく、一般に広まる用語
② 他学会にも受け入れ易く、医師全体に広まる用語

皆様奮ってご参加頂きますよう宜しくお願いします。

なお、発表は5月の第53回日本血管外科学会学術総会で行います。

今回の一般向け呼称は、用語としてのCLTIを変更するものではありません。
会員の皆様は今後も専門用語としてCLTIを使用して頂きたいと思います。



最終候補一覧

No, 呼称 よみかた 推薦理由 コメント
1 足梗塞 あしこうそく ①脳梗塞、心筋梗塞は一般的にも既に浸透しており、梗塞という言葉は伝わりやすく、下肢の循環器疾患として対比できる。
②梗塞と言う言葉で、解り易さと重症感が同時に伝わる
①CLTIは、DM footなど軽症虚血も含む概念であるが、梗塞だと虚血に力点がおかれている。②心筋梗塞、脳梗塞は局所の急性血栓症であり、厳密には慢性病態のCLTIと医学的に差異がある。
2 足壊死 あしえし 足の現象をシンプルで表現し重症感が伝わる ①潰瘍やチアノーゼなど必ずしも壊死でないこともある。②外傷、凍傷などCLTIでない壊死もあり、誤解を招く。
3 足壊疽(えそ) あしえそ 壊疽=壊死+感染であり、CLTIの現象をより反映し、重症感も伝わる ①若い人には壊疽はわかりにくく、漢字が読めない人もいる。②「えそ」と言っても素直に伝わらない可能性あり。③CLTIでない壊疽もあり、誤解を招く。
4 足くされ病 あしくされびょう ①わかりやすく、一部の巷では使用されている。
②腐敗の感じがでていて重症感がある
言葉が差別的なイメージもあり、学会主導の用語として適切か疑問
5 足切断切迫症候群 あしせつだんせっぱくしょうこうぐん CLTIは切断危機の肢のことで、概念的に合っている 長く、言いにくい
6 重症足虚血 じゅうしょうあしきょけつ 説明的であるが、重症、場所、虚血が組み合わされていて分かり易い ①CLTIは、DM footなど軽症虚血も含む概念であるが、虚血のみに力点がおかれている。③重症という枕言葉があると軽症があるのかという、単独の用語として問題がある


応募要領

1. 投票期間
2025年4月1日(火)から30日(水)

2. 投票方法
 ホームページ上から応募できます。
 応募フォームURL:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdN13s0lZaz15pnfbJs7-cgg8mIqw9-prqdS9R3i5uiKIOszA/viewform?usp=dialog

3. 決定および公表
決戦投票の結果を参考に理事会で決定し、発表は第53回日本血管外科学会学術総会で行います。

4. 注意事項
・選定した用語は、今後、学会として積極的に普及を努める予定ですので、患者・家族に分かり易く、一般に広まる用語であることや、他学会にも受け入れ易く、医師全体に広まる用語であることを十分に考慮してください。
・CLTIを変更するのでなく、あくまでも一般呼称です。学会など学術的使用の場合はこれからもCLTIを使用してください。
・著作権は日本血管外科学会に帰属します。考案者も著作権を行使せず、他の学会も含め広く使用することをご了解ください。