ジェットストリーム アテレクトミー システムの適正使用指針の改定について

日本血管外科学会
会員 各位



この度、CVIT、日本血管外科学会、日本IVR学会の3学会で構成されるアテレクトミーデバイス関連学会協議会にて、ジェットストリームアテレクトミーシステムの適正使用指針の改定を行いましたのでお知らせいたします。

ジェットストリームアテレクトミーシステムの適正使用指針(PDF)

ジェットストリームアテレクトミーシステムは、大腿膝窩動脈領域における高度石灰化病変への切削効果を有するデバイスであり、臨床治験における限定された症例においては、良好な初期成功率及び遠隔期開存率が報告されております。一方で、PMS終了後の実臨床現場で、重大なイベントにつながる遠位塞栓例の発生の報告を受けました。これにより、産官学で協議し、2023年10月からジェットストリームアテレクトミーシステムの使用施設拡大を中断しておりました。
その後、1)2024年5月30日に使用ガイダンスの発表、2)PMS報告にて許容範囲内の遠位塞栓率の確認 が行われ、それらを基に、以下の点に留意し適正使用指針を修正しました。
今後は、改定された適正使用指針の遵守を条件に、再度企業と行政の協力を得て施設拡大を順次行っていく予定です。


【主な修正点】

5.適正使用

アテレクトミーデバイスを適切に使用するために以下を必ず確認すること。
特に、遠位塞栓の発生また、それに伴う有害事象発生のリスクを低減させるため、以下を遵守すること。

患者選択:
難治性創傷を有する包括的高度慢性下肢虚血に対しては、アテレクトミー使用による遠位塞栓が有害事象をリスク上昇に関連するため、代替え治療がない場合のみ許容される (なお臨床試験では、創傷を有する包括的高度慢性下肢虚血に対する治療効果は確認されていない)

病変選択 (1):
アテレクトミーデバイス使用前に、CTや血管内イメージングモダリティで、石灰化の有無及び性状を確認する (血栓や線維性病変には適応はない、一方で石灰化結節は遠位塞栓のリスクが上昇する。遠位塞栓のリスクが高い石灰化結節に対しては、既存のステントやスコアリングバルーンを併用した治療、外科的バイパス術を代替として検討する。)

病変選択 (2):
膝下動脈及び足関節以下動脈のランオフが良好な症例に使用すること

治療手技:
切削する部位を使用前に同定し、不必要に長い距離の切削を行わない (切削距離は可能な限り短くする)

なお、本デバイスの施設拡大における施設選定に関しては、アテレクトミーデバイス関連協議会と企業との相談の上、順次進めさせていただきます。

2025年1月

アテレクトミーデバイス関連協議会


ジェットストリーム アテレクトミーデバイス使用ガイダンスについて:https://jsvs.org/ja/info/news/240605/