医療安全情報(血管内治療におけるドレープ使用について)
SSI(surgical site infection)防止目的で使用されたフィルムドレッシング材が、血管内治療に際し動脈穿刺に伴い小片となって動脈内に迷入し、塞栓子となった症例が報告されました。種々の要因が関与した極めて稀な事象と考えられますが、重篤な転機を招きうる事象であるため、日本血管外科学会では過日、評議員の皆様と製造企業様に、フィルムドレッシング材の使用実態、ならびに同様の事象の経験の有無に関するアンケート調査を実施いたしました。その集計結果を周知いたします。
本調査結果では、血管内治療においても約4分の3の先生がフィルムドレッシング材を使用していました。動脈内に迷入し塞栓子となった症例の報告はありませんでしたが、穿刺に伴いフィルムが小片となった経験は、使用されたドレッシング材の種類を問わず、5名の先生から報告されました。
会員の皆様におかれましては本集計結果をご参照の上、血管内治療の実施に際しては、かかる事例の発生に十分にご注意下さいますようお願い致します。
日本血管外科学会 理事長 古森 公浩
医療安全委員長 椎谷 紀彦
■評議員向けアンケート集計結果:血管内治療におけるドレープ使用について
■フィルムドレッシング材企業アンケート結果:フィルムドレッシング材使用に伴う有害事象調査について