会長挨拶
ごあいさつ
この度,第41 回日本血管外科学会学術総会を,平成25 年5 月29 日(水)から31 日(金)に,大阪国際会議場にて開催させていただくことになり大変光栄であると感謝申し上げます.医学のどの分野でも日々発展を続けていますが,低侵襲な血管内治療がどんどん増加している血管外科分野での急速な発展は目覚しいものがあります.「進歩し発展すること」を「進化」という一言で表現できるので今回のメインテーマは,
急速な進化を続ける血管外科 ―低侵襲と根治性の追求―
とさせていただきました.Technology の発達と共に低侵襲治療が発展しているので,少なくともそれをcatch up していくことがこれからの血管外科医にとって必須であり,できればリードしていくことが求められています.例えば大血管外科では,数年前まで弓部大動脈瘤に対しては全弓部大動脈人工血管置換術がゴールドスタンダードであると誰もが認めていましたが,現在ではこの術式がいずれ無くなるのでは感じられる勢いで,ステントグラフト治療が行われています.これまで耐術が困難と思われた高齢者でもこのような低侵襲治療なら可能となり良好な成果を挙げています.そこで今回は,低侵襲治療の現状と問題点および今後の展望について充分に議論していただきたいと思います.
本総会では,このメインテーマを踏まえ,シンポジウム5,ビデオシンポジウム4,パネルディスカッション4,教育講演4 を企画し,さらに欧米から7 名の著名な外科医を招聘しました.また国際シンポジウムでは,これまでと異なり各シンポジストから興味ある症例を提示していただきそれについて討論するという形式にしました.全国から約800 題の応募があり,プログラム委員の先生方のご協力をいただき最終的には会長の判断で採用を決定しました.プログラムの構成では,招請講演や教育講演をできるだけ多くの先生方に聞いていただけるように,それらの時間帯にはなるべく一般口演を入れないように配慮しました.しかしながら,二日間と限られた会期ですのでどうしても皆様に納得していただけるような構成にはできなかったことをお詫び申し上げます.
兵庫医科大学は,兵庫県にありますが神戸より大阪の方が近いので会場は大阪にしました.風光明媚な観光地はありませんが,“記憶に残る学会”にしたいと思い,特別講演は関西らしい“西川きよし”氏にお願いし,全員懇親会でも楽しんでいただけるように考えております.できるだけ多くの先生方にご参加いただけることを心よりお願いします.
第41回日本血管外科学会学術総会
会長 宮本 裕治
(兵庫医科大学 心臓血管外科)